ロッタのはなし③

ロッタがいなくなってしまってから、あたしは体調を崩した。
はじめは心が
それがからだにもでるようになってしまった。
ペットロスってやつだった。
顔のツラはぶ厚いのに心はよわよわの虚弱体質なんだね。

毎日、泣いていた。
ロッタのことを思い出しては泣いていた。
テレビで猫なんかみたらもう駄目で苦しくなった。
うちの中はどこを見てもロッタの思い出でいっぱいだった。

しばらくして、めまいがとまらなくなった。
立ちくらみとか貧血で血が下がる感覚ってあるでしょ?
それは気持ち悪いけど一回さがればそれで終わる。
それが、このときのめまいは何度も何度も襲ってくるの。
終わったと思ったら、また新しいのがというかんじで。
まるで波のりしているみたいだった。
でも、陸の上での波乗りはちっとも楽しくなかった。
何度もやってくるめまいは
ロッタが忘れないでと必死に訴えてるように感じた。

あたしはバイトにいけなくなってしまった。
3月いっぱいでやめることは前から決まっていたのだけど
最後まで行くことは無理だった。

まさか自分がペットロスになるなんて思いもしなかった。
今までも犬やら鳥やら飼ってきてそのこたちの死にも向き合ってきたけど
こんなことははじめてだった。
ペットがいなくなるくらいで体調を崩すなんて信じられなかったし
ペットはペットでしょ。なんて思ってそれに苦しんでおられる方たちの気持ちを
想像することができなかった。

病気がわかってからもちろん覚悟はしていたし
犬猫はどんなに長生きしても人間より先にいってしまうということも理解していた。
でも、頭で理解していても実際はそんな簡単なものじゃなかった。
あたしの中でロッタの存在がアタリマエすぎて
大きすぎて
その事実をしっかり受け止めることができなかった。

病気は防ぎようがなかったかもしれない。
こうなることはどうしたって避けられなかったのかもしれない。
それでも、あきらめるなんてできなかった。
少しでも一緒にいたいと思ってしまった。

でも、あたしはロッタにしなくてもいい苦しみを強いてしまったのかもしれない。
少しでも長く一緒にいたいからというのは
あたしのエゴだったんじゃないかと思う。
ロッタの気持ちなんてちっとも考えてなかった。

いなくなってからずっと考えていた。
いい病院で治療をさせてあげなかったこと。
それをちゃんと調べなかったこと。
抗癌治療をさせてしまったこと。
無理やり薬を飲ませて苦しめたこと。
ずっと一緒にいてあげられなかったこと。
気がつかないでひとりぼっちで逝かせてしまったこと。

後悔してももう抱きしめてあげることは出来なかった。
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by mina-mimo | 2007-03-15 09:11 | こころとからだ


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